耐震補強とはどんな工事?種類・費用・流れ・補助金を大工歴35年のプロが徹底解説

「築40年の家に住んでいるけど、地震が来たら大丈夫かな…」


「耐震補強って聞いたことはあるけど、実際に何をする工事なの?」


「費用はどのくらいかかる?補助金は使える?」


南海トラフ巨大地震・首都直下地震の発生が近づいているともいわれる今、自宅の耐震性への不安を抱える方は少なくありません。特に、埼玉県北部エリア(加須市・行田市・羽生市など)は築年数の古い木造住宅が多く、耐震補強のご相談をリノベ工房匠によくいただきます。


この記事では、大工歴35年・宮大工技術を持つ代表・中島が、耐震補強工事の内容・費用相場・補助金・進め方をわかりやすく解説します。


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まず確認:あなたの家は「旧耐震基準」?「新耐震基準」?


耐震補強を考える上で最初に確認すべきは、建物が「どの耐震基準で建てられたか」です。


3つの耐震基準


| 基準名 | 建築確認の時期 | 耐震性のポイント |

|-------|-------------|--------------|

| 旧耐震基準 | 1981年5月31日以前 | 「震度5程度で倒壊しない」が基準。大地震への対応が不十分 |

| 新耐震基準 | 1981年6月1日〜2000年5月31日 | 「震度6強〜7で倒壊しない」が基準。ただし接合金物等が不十分な場合あり |

| 現行耐震基準(2000年基準) | 2000年6月1日以降 | 地盤調査・耐力壁のバランス・金物接合が義務化された最新基準 |


重要な注意点

判断基準は「竣工日」や「着工日」ではなく「建築確認日」です。1981年6月以降に完成した家でも、建築確認を取得したのがそれ以前であれば旧耐震基準に該当します。


特に注意が必要な「81-00木造住宅」


2016年の熊本地震で大きな被害を受けた益城町の調査では、「新耐震基準(1981〜2000年)」の木造住宅でも倒壊した割合が2割にのぼることが明らかになりました。「新耐震基準だから安心」という認識は過去のものです。2000年以前に建てられた家は、耐震診断を受けることを強くおすすめします。


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耐震診断とは?まず「現状把握」から


耐震補強の前に必ず行うべきが「耐震診断」です。耐震診断は、専門家がご自宅に伺い、屋内・屋外・床下・天井裏など住宅の耐震性を目視・非破壊で調査し、「どこが弱いか」「どんな補強が必要か」を明らかにします。


耐震診断の結果(評点)の見方


木造住宅の耐震性能は「Iw値(評点)」で表されます。


| 評点 | 判定 | 対応 |

|-----|------|------|

| 1.5以上 | 倒壊しない | 補強不要 |

| 1.0〜1.5未満 | 一応倒壊しない | 状況に応じて補強を検討 |

| 0.7〜1.0未満 | 倒壊する可能性がある | 補強を推奨 |

| 0.7未満 | 倒壊する危険性が高い | 早急な補強が必要 |


評点1.0未満の場合は、現行基準(耐震等級1)を満たしていないため、耐震補強工事が必要と判断されます。


耐震診断の費用


木造住宅における耐震診断の費用相場は20〜40万円です。補助金制度を設けている自治体や、耐震診断を無料化している自治体もあります。特に旧耐震基準の建物では、診断費用を全額補助する自治体も多いため、まずはお住まいの市区町村窓口に確認しましょう。


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耐震補強工事の種類と費用


耐震補強工事には大きく分けて「基礎の補強」「壁の補強」「屋根の軽量化」「柱・接合部の補強」の4種類があります。


① 基礎の補強工事


地震の揺れに対する建物の土台となる基礎を補強します。コンクリート基礎のひび割れを樹脂で充填したり、無筋コンクリート基礎を鉄筋コンクリートで補強したりします。


耐震補強にかかる費用のうち、基礎は50〜150万円が目安です。


| 工事内容 | 費用目安 |

|---------|--------|

| 基礎のひび割れ補修(樹脂注入) | 20〜30万円 |

| 基礎の増し打ち補強 | 50〜100万円 |

| 布基礎→ベタ基礎への変更 | 100〜200万円 |


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② 壁(耐力壁)の補強工事


壁の補強は、耐震補強工事の中で最も基本的かつ重要な工事です。地震や台風の横揺れを軽減し、建物の倒壊を防ぎます。古い木造住宅は壁の少なさや配置のバランスの悪さが耐震性能の欠点になっていることが多く、耐震診断をして耐震補強工事した人の中で最も多かったのが「内側壁からの壁補強(85%)」でした。


壁の補強費用は20〜80万円が目安です。


主な工法


| 工法 | 内容 | 費用目安 |

|-----|------|--------|

| 筋交い(すじかい)の設置 | 壁の中に斜めの補強材を入れ、横揺れに耐える力を高める | 15〜30万円/箇所 |

| 構造用合板の張り付け | 壁に合板を張り、面全体で揺れを受け止める | 10〜25万円/箇所 |

| 耐震パネル・耐震ボードの設置 | 既存の壁の上から耐震性能を高めたパネルを設置 | 5〜15万円/箇所 |


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③ 屋根の軽量化


重い屋根(瓦屋根など)は地震の際に建物の重心が高くなり、倒壊リスクを高めます。重い屋根材を軽量な素材(ガルバリウム鋼板など)に葺き替えることで、建物の重心を下げ揺れを抑えることができます。


屋根の補強・軽量化費用は50〜200万円が目安です。


| 工事内容 | 費用目安 |

|---------|--------|

| 瓦→ガルバリウム鋼板への葺き替え | 80〜200万円 |

| 屋根の構造補強 | 30〜80万円 |


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④ 柱・接合部の補強(耐震金物の設置)


柱や梁、土台などの構造材が接している部分は、地震の揺れによって緩むと倒壊のリスクが高まります。緩みやすい部分に耐震金物を取り付けることで、住宅の弱点部分を補います。


費用を抑えやすく短期間で行えるため、住みながら工事できる場合がほとんどです。


なお、耐震金物の設置が義務付けられたのは現行の耐震基準(2000年基準)から。それ以前の住宅は金物が取り付けられていない可能性が高いため、設置を検討することをおすすめします。


| 工事内容 | 費用目安 |

|---------|--------|

| 耐震金物の設置 | 5〜20万円(箇所により異なる) |

| 柱の補強・交換 | 10〜50万円 |


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耐震補強工事の費用:全体の相場


木造住宅の耐震補強の費用は住宅の規模や劣化状況、補強の内容によって異なりますが、平屋建て・2階建ての住宅で100万〜150万円程度が目安です。


一般財団法人日本建築防災協会の調査によれば、耐震改修を行なった人の約55%が200万円未満で工事を行なっています。そのうち100〜150万円の人が最も多く、150万円前後が耐震補強工事における平均相場といえます。


建築年代別の平均費用(参考データ)


日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)が昭和25年〜平成12年に建築された住宅の耐震補強にかかった費用を調査したところ、全体平均は約163万円でした。


| 建築年代 | 平均工事費 |

|---------|---------|

| 昭和36〜40年(築60年前後) | 約234万円 |

| 昭和56〜60年(旧新耐震境界) | 約162万円 |

| 平成8〜12年(比較的新しい) | 約113万円 |


築年数が浅いほうが工事費用は安くなる傾向があります。古い建物ほど補強箇所が多くなり、シロアリ被害や腐食への対応も必要になるためです。


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耐震診断から工事完了までの流れ


ステップ① 耐震診断(約2〜4週間)


専門家が現地調査を行い、建物の強度・弱点箇所・必要な補強内容を診断します。


ステップ② 耐震補強設計(約2〜4週間)


診断結果をもとに「どこに・どんな補強をするか」の設計を行います。この段階でお見積もりを作成します。


ステップ③ 補助金の申請(着工前に必須)


補助金を利用する場合、着工前に市区町村への申請が必要です。申請から承認まで数週間〜1ヶ月程度かかる場合があります。


ステップ④ 工事着工・施工(約2〜8週間)


補強箇所の解体→耐震補強工事→復旧工事の順で進みます。工事の規模によっては仮住まいが必要になることもあります。


ステップ⑤ 完了検査・引き渡し


工事完了後、設計通りに施工されているか確認します。補助金を利用した場合は完了報告も必要です。


合計期間の目安:約2〜3ヶ月


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耐震補強工事で活用できる補助金・税制優遇


耐震改修補助金(国・自治体)


多くの自治体では、1981年5月31日以前の「旧耐震基準」で建てられた木造住宅を対象に、補助金制度を設けています。自治体によっては補助額上限100万円に設定しているところもあります。


埼玉県内の各市の補助金(目安)


| 市区町村 | 耐震診断 | 耐震補強工事 |

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| 加須市・久喜市・行田市・羽生市(各市) | 一部〜全額補助 | 工事費の一部補助 |


補助金の詳細は各市区町村のホームページまたは窓口でご確認ください。リノベ工房匠では地元の補助金情報を踏まえたご提案をしています。


所得税の特別控除


一定の要件を満たす住宅に耐震改修工事を行った場合、工事金額の10%が所得税から控除されます(令和7年12月31日まで)。


固定資産税の減額


昭和57年1月1日以前に建てた住宅を現行の耐震基準に適合する耐震改修工事を行った場合、翌年度分の固定資産税が1/2に減額されます(令和8年3月31日まで)。


リノベーションとのセット申請


省エネ改修補助金(子育てグリーン住宅支援事業など)は耐震補強工事と同時に行う場合も対象になることがあります。リノベーションとセットで耐震補強を行うことで、補助金を最大限活用できるケースが多くあります。


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耐震補強が特に必要な家のチェックリスト


以下の項目に当てはまる場合は、早めの耐震診断をおすすめします。


- [ ] 1981年(昭和56年)以前に建てられた(旧耐震基準)

- [ ] 2000年以前に建てられた(新耐震基準だが現行基準未満)

- [ ] 築40年以上の木造住宅

- [ ] 南側に大きな縁側・掃き出し窓がある

- [ ] 1階に広いリビング・ガレージがある(壁が少ない)

- [ ] 和室の間が障子・ふすまのみで仕切られている

- [ ] 外壁にひび割れや亀裂が見られる

- [ ] 家全体が傾いている・床が傾斜している

- [ ] 過去に大きな地震・水害を経験した

- [ ] 長期間、特にメンテナンスをしていない


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リノベ工房匠の耐震補強工事の特徴


大工の目で構造を見極める


代表・中島の大工歴35年・宮大工技術により、建物の構造を深く理解した上で「本当に必要な補強」と「過剰な補強」を的確に見極めます。不要な解体・撤去を最小限にし、コストを抑えながら確実に耐震性を高めます。


古民家・築古住宅の耐震補強に強い


古民家や築40〜60年以上の木造住宅では、通常の耐震補強工法が使えないケースがあります。寺社仏閣の修繕経験を持つ宮大工の技術で、伝統工法の建物にも対応した耐震補強が可能です。


リノベーションと耐震補強をセットで


「水回りをリノベーションしながら、ついでに耐震補強も」という一石二鳥のご提案が可能です。別々に工事するよりも工事費・工期の両方を削減でき、仮住まいの期間も短縮できます。


補助金申請のサポートも一貫して対応


耐震改修補助金・省エネ補助金・固定資産税減額の手続きまで、リノベ工房匠が一貫してサポートします。


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まとめ


耐震補強工事は、ご家族の命と財産を守るための最も重要な住宅工事のひとつです。


耐震補強のポイントまとめ


| 項目 | ポイント |

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| 優先対象 | 旧耐震基準(1981年以前)・2000年以前の木造住宅 |

| 費用の目安 | 平均100〜163万円(規模・状態による) |

| 工期の目安 | 2〜3ヶ月(診断〜完工まで) |

| 補助金 | 旧耐震基準の建物は各市区町村の補助金が使えることが多い |

| 税制優遇 | 所得税10%控除・固定資産税1/2減額(期限あり) |


「うちは大丈夫かな?」という不安がある方は、まず耐震診断を受けることが第一歩です。


リノベ工房匠では、現地調査・お見積もりを**無料**で承っています。「耐震のことだけ聞きたい」「リノベーションと一緒に考えたい」どちらのご相談も大歓迎です。


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よくある質問


Q. 住みながら耐震補強工事はできますか?


A. 工事内容によります。耐震金物の設置など比較的軽微な補強は、居住しながら工事できる場合がほとんどです。フルリノベーションと合わせた大規模な耐震補強工事の場合は、仮住まいが必要になることがあります。


Q. 耐震補強と断熱改修は同時にできますか?


A. はい、できます。耐震補強工事では壁を開口することが多く、断熱材の充填もそのタイミングで行うのが最も効率的です。2つの工事をセットで行うことで、工事費・工期の両方を節約できます。


Q. 新耐震基準(1981〜2000年)の家でも耐震補強は必要ですか?


A. 状況によります。2016年の熊本地震では、新耐震基準(1981〜2000年)の木造住宅でも倒壊した事例が多くありました。現行の2000年基準を満たしていない場合は、耐震診断を受けることをおすすめします。


Q. 補助金の申請は誰がやりますか?


A. リノベ工房匠が補助金申請の手続きをサポートします。ただし、着工前の申請が必須の補助金が多いため、工事計画の早い段階でご相談ください。


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お問い合わせ・無料相談


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「うちは地震が心配」「旧耐震基準かどうか確認したい」そのようなご相談もお気軽にどうぞ。現地調査・お見積もりは無料で承っています。


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*この記事は株式会社リノベ工房匠が2025年4月時点の情報をもとに作成しました。補助金・税制優遇の内容は変更される場合があります。最新情報はお住まいの市区町村または国土交通省の公式サイトをご確認ください。*